息を呑むプロローグ。
導入部分から引き込まれると、ああ、これ絶対面白いはずと期待が膨らみます。
巨大戦艦建造を推進する平山中将(田中泯)、彼のものの見方はとても印象的。
遠いようでそう昔のことではない時代です。
2019年7月30日記載
ライカギャラリーで個展「細胞の海、神経の森」を開催中の石井靖久さん。本業であるお医者の視点を盛り込んだという作品です。
ハービー山口さん、グラフィックデザイナーの町口覚さんがゲストの豪華トークショウに伺いました。
ご自身のイメージを表現すべく、写真以外の表現手段も考えたいと語る石井さん。
ハービーさんは「視点を持つことが大切。抽象でも具象でも。異文化、そしてちょっと自分より”上の人”と接していくことが大事。」写真家の視点をどう成長させていくか、具体的なアドバイスが響きます。
「やっぱり”人”なのね。だったらもっと出せ!なの。評価?このご時世、誰でも撮れるのが写真。だから写真で認められようなんて思わないこと。理性の崩壊大歓迎だよ。」と町口さん。”見てる量”が断然違う方の、何気に深いお言葉。
自ら進行役を買って出たハービーさん。上記は一部ですが、お二人から話を引き出す御大の余裕が、参加者にインスピレーション満載の時間を作ってくださいました。
「細胞の海、神経の森」展 (ライカギャラリー東京)8月18日まで。
記載日2019年7月28日
「なんで?」
と多くの人が首をかしげる現代アート、そこに値付けされる破格のお値段。
その疑問に切り込んだ作品です。赤裸々に、この世界の仕掛けを教えてくれる本音も出てきます。
試写後は編集者、美術ジャーナリストの鈴木芳雄さんとIMA編集部編集長の太田睦子さんのトーク。
”アート界のおばちゃんトーク”に思わず吹き出します。軽妙に、わかりやすく説明してくれ、ああ、なるほど、そういうことだったのか、と映画制作側の仕込みに気がつけます。一部、Twitter(鈴木さん)にもあげられていますので鑑賞後前後にぜひ。公開は8/17日から渋谷ユーロスペース。鈴木さんのトークショウがあれば鑑賞と合わせてオススメします。(現時点では確認できず)
もし私がアートって何?と聞かれたらどう答えるかな。 私ならこう答えます。
「アートは密度、そしてあなたのこと。」
2019年7月24日記載
平日の午後にも関わらず満席でした。
心に残るセリフがいくつもありました。
過去の、実際のニュースが次々と思い出されてゆき、鑑賞途中から心臓がばくばく、震えがブルブルと始まる始末。それぞれの「正義」がぶつかり合う、のではい。大胆な圧力をかける構図と仕掛けは、ぶつかり合いを超えて一方的な抹殺へ。勉強になります。
相手の伝えたいことに耳を傾け合える空間。最善の道を模索し合い、再び検証し修正していける社会はどこに。この国は誰のものか、と思いました。
2019年7月8日記載
どうしても生で拝見したい写真があり、ギャラリー イー・エム 西麻布、永嶋勝美写真展「YAKUSHIMA(屋久島)」に伺いました。Leica使いのモノクロファインアートとDGSMプリント(=デジタルカメラから銀塩のモノクロプリントの制作)の開発者などで知られる永嶋勝美さん。1949年創刊の LEICA Fotografie International誌(今でいうLFI MAGAZIME)に日本人で初めて紹介された写真家です。
私が駆け出しの頃、カメラマンの先輩から「写真が上手くなりたかったら、印刷物ではなく、質の良いオリジナルプリントを見なさい」と教わりました。アート写真が多岐にわたる昨今、熟練のファインアートはより重要な位置にあると思います。
Gallery EM nishiazabuは各界のレジェンドがさらりと座っているすごい画廊。とても気さくで伺いやすい空間になっているのはオーナー竹内さんのお人柄によるものかもしれません。
今月20日まで開催です、ぜひ!
2019年7月7日記載