良いお年をお迎えください。

昨年の今頃はフィンランド1ヶ月の滞在に向けて準備をしていました。帰国後ブログを始めて、写真集作りに着手し、あっという間に過ぎた1年。多くの方にお世話になりました。心より御礼を申し上げます。

そして、この地味なブログを読んでくださっている方、本当にありがとうございます。

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秋に通った富士山5合目からの眺め

2020年。なんだか不思議な語感です。

皆様にとって喜びに満ちた1年となりますように。

来年もよろしくお願い申し上げます。

写真家 清水朝子

2019年12月30日

カテゴリー: blog

映画「ホテル・ムンバイ」

2008年に起きた同時多発テロ、タージマハル・ホテルを舞台にした映画「ホテル・ムンバイ」。心臓がばくばくの、始終緊張感あふれる映画でした。もし私がこの場にいたら、腰を抜かして歩けないかもと思ったほど。mv_pc

勧善懲悪の脱出劇ではなく、テロリスト実行犯の心情も描いています。最近は「悪役」の言い分もきちんと演出している映画が増えた気がします。

できれば映画館での鑑賞がオススメですが、都内上映はすでに終わってしまい、関東近郊は本厚木、ほかに北海道などで上映中。

記載日2019年12月29日

作家 阿川佐和子氏 新刊「老人初心者の覚悟 」

私が撮影した写真を帯に使って頂いた「老人初心者の覚悟 」が中央公論新社から送られて来た。 _AGN5829

エッセイの名手、阿川佐和子さんの新刊は、前作に続き日々の出来事、感じたことを書き綴っている。亡きお父上との逸話はコメディ映画のワンシーンのようで笑ってしまうし、弱気になったり強気になったりする姿に思わず共感する。

多岐にわたるご活躍、あのエネルギーはどこから来るのだろう。現場でみる阿川さんは小柄で可愛いらしいが、頭の回転がキレッキレで、ハッとする視点を教えられることもしばしばだ。ベストセラーに、介護にとお忙しかったであろう頃も、現場のスタッフに疲れた姿を見せることはなかった。

初めて阿川さんを撮影したのはいつだったけと思い返す。まだ出版社の社員カメラマンだった30代前半、フィルムで撮影していた時代。配属先の編集部では、ベテランに囲まれて右往左往し、また自信の無さが写真に表れ注意を受けていた。「いい時と悪い時の写真の差が激しい、それはプロとは言えない」全くだ、と落ち込み、迷路に入っていた時期だった。

そんな時に阿川佐和子さんのページ撮影を言い渡された。この時の現場の自分の立ち振る舞いがどうだったかなど到底覚えていない。うまくいった感覚はもちろんなかった。それから約1年後、上司から撮影の担当を再び言い渡された。その時の驚くべき一言を私は覚えている。「ご指名よ」

阿川さんは私に優しい。何気なく気遣ってくれる。独立後も番組のポスターの撮影を担当させていただいた。特に4年続いた、彼女がファッションモデルとなり着こなしを学ぶという定例ページは、一人の著名な方を定期的に撮影することで多くのことを学ばさせていただいた。一つには撮影前に言葉のコニュニケーションを無理に取ろうとすることをやめた。ページ上で求めていることを簡潔に伝える。メディアという大舞台で長年活躍される方々は総じて勘が良く多忙だ。私の下手な会話より、必要なことを伝え、短時間でリズムよく進める方が良い誌面結果が出ると思った。さらに被写体を信じることも学んだ。

先日鼎談撮影で久しぶりにお会いした。いまは年に1、2度こうして撮影できる機会を頂く。彼女は指定位置に立つ直前に私の撮影台に寄ってをメガネを置いて行く。今回も変わらず、近くに来てメガネをパソコンの横に置かれた。そこには先日買ったばかりの不肖の老眼鏡も置かれていた。2つ並んだ老眼鏡をみて編集者が言った。「フレームの形や色が似てますねぇ」なんだか嬉しかった。

記載日2019年12月17日

 

 

写真家 安村崇氏 個展「態態」

東京のMISAKO&ROSENで開かれている安村崇氏の「態態」に伺ってきました。

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写真新世紀の審査員も務める安村氏

類をみない独特な安村氏の世界は、初期の作品から一定して洗練されたトンチのような摩訶不思議さです。

細かな計算と修練の賜物であろうことは同業者として推測できるのですが、作為的な匂いが一切しないのはなぜでしょうか。撮影中の汗も感じません。作品まるごと何か超越してる。

それでいて思わずクスッと笑える表現があり、作家本人の人柄であろう空気感もにじみ出ます。初めての映像作品も見れ、展示の仕方も参考になるのでオススメです。

MISAKO&ROSEN  2019. 12. 1 Sun – 2020. 1. 19 Sun(冬季休廊 : 2019.12.28 – 2020.1.7)

休廊日:月曜/火曜/祭日
開廊時間:水曜-土曜12:00-19:00/日曜 12:00-17:00

2019年12月11日記載

 

映画  「決算!忠臣蔵」

かけ蕎麦一杯460円、出張経費いくら〜と現代の物価感覚に換算し経理部目線で追った「忠臣蔵」。「大石内蔵助が記した決算書を基に討ち入り計画の実像に迫る」(解説より引用)コメディ映画。結構物価が高かったんだなぁと思いながら、面白可笑しく拝観しました。

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不思議な現実味がありました。お城も「経営」なんだな、そこに沢山の「社員」がいて、それぞれ家族がいるのだと。

間延び感もありましたが、監督はコメディに徹したかったのかな。噂通り岡村隆史さん、とても良かったです。テレビで観る「岡村さん」はどこにもいませんでした。テロップに「千葉雄大」とあり、え?どこに。見つけた方がいらしたら教えてください。^^

2019年12月1日記載