A.I.R滞在記その16 スイーツパーティー

私たちの滞在期間は1ヶ月。その半ばも超え、共同生活のなかでそれぞれへの不満が小さく出始めた頃、シャーロットがスイーツパーティを計画しました。_ASN0313

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さり気ない気配りの天才でもある画家のシャーロット

サイレントデー前夜の金曜日、希望者が集合です。(結局全員揃いました)

ルイーズはブラウニー、ニッキーは・・と有志が続々手をあげスイーツの種類が増えました。ファビュラス!もちろん食べるだけの参加もOK。

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載せきれませんが8品ほどテーブルに!

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手作りもあれば持参品などみんなが参加

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食べるだけの参加も歓迎

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出来上がりを待つ大人男子二人 左は天文学系の著書を持つマイケル 右はスタッフのティーム

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明日からは挨拶も禁止の週末サイレントデーズ。黙々と制作に打ち込みます。おしゃべり大好きな彼らは今のうちにしゃべり倒します。

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二人組アーティストのドラアンドガボールはハンガリー出身。別れた場合の作品の権利はどうなるの、なんて話もしてました。。。

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お得意のケーキの一つや二つ、レパートリーであるのだな、、、と西洋の女子力について学びました。

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壁紙が宇宙なアートレスのダイニングキッチン。

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制作への悩み、焦り、共同生活への小さな不満。そんなネガティブな側面も緩和される、楽しく甘い夜が更けてゆきます。

 

2019年6月10日

(撮影は2019年1月)

 

 

A.I.R滞在記その15 アートランドトリップ

すがすがしい陽気ですが、再び雪中のレジデンス体験に話を戻します。

制作の合間に息抜きができるようスタッフは色々サポートしてくれます。今回は Nancy Holt (1938~2014 アメリカ)の「Up and Under」とAgnes Denes(1938,ハンガリー生まれ)の「Tree Mountain」を観に行きます。まずはArtelesスタッフ、イダのドライブで「Up and Under」のあるSasinitie 555,Pinsioへ。

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_ASN0598 トンネルは南北東西に向けられています。円形の空は新緑の季節にも見て観たい。

様々なイベントにも対応できる等に企画されたというアートオブジェ。

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死体??と慄くアーティスト(オーストラリア・カナダ)女子二人。しかし治安のいい国に住むイダは臆せず確認に行きます。

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_ASN0585 お尻で降下。お決まりです、大人だってやります。

 

次は舗装された雪深い道を歩き、いざアグネスディーンの「Tree Mountain」へ。環境問題に立ち向かうアーティストの先駆者の一人だそうです。

 

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パイナップルやひまわりに見られるというThe Golden Section(黄金比)を模して植林された作品とのこと。1996年国連環境計画とフィンランド環境省からの支援を受け、最終的には未開の森林を生み出すという目的で保護された土地に設計されたプロジェクトとウェブサイトにはあります。
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空中から見るとその幾何学模様がよくわかるらしいのですが

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頂上までいくの??

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密林で頂上感ゼロ。。。

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帰ります。(これは作品ではありません)

 真理の表明や問いに人生をかけるアーティストの”業”は強い吸引力があります。

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西フィンランド

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イダ、運転ありがとう。外はマイナス13度でした。

2019年6月1日記載

A.I.R滞在記その14  サイレントデイズ、そしてコミュニケーション

フィンランドのアーティトインレジデンスArtelesのユニークなルールの一つ、週末の「サイレントデイズ」があります。インターネット断食の加え毎週末の二日間、私たちは会話はおろか挨拶もしません。ただひたすら己に向かうのです。日本で静かな生活を送る私には心地よい週末、イタリア系のルーツも持つ写真家アイオナに言わせると「おしゃべりができないなんて、ぢごくだわ….。」

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おしゃべり大好きナンバーワンのティムもこの日は黙々と。。。

西洋人のおしゃべり好きには驚きました。毎日まいにち同じメンツでよくこうも話すことがあるなと思います。イギリス生活10年以上の友人曰く、「日本人以外は本当におしゃべりが好き、会話を楽しむのが好き」なのだそう。

よく西欧では自分を主張できないといけないと脅されて(?)きましたが、おしゃべりである必要はないというのが私の実感です。要は「何をしている人なのか、何を考えているのだかよくわからない」ことが彼らの不安や不快感を煽るのではないかと思います。

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独自の装置を持ち込んで集中する、コーリアンのジーヨンは鍵盤楽器も得意。絶対音感の持ち主でした。

創作が目的でありつつも、共同生活の中お互い気持ちよく生活したいもの。それに制作に向かう時間はたっぷりあります。彼らとの食事やレクリエーションの参加は息抜きであり刺激があり、楽しい経験です。

レジデンツのメンバーは13人で年齢幅は60代から20代まで。男女半々で国籍は様々でした。悠長な英語で振る舞えない、長いおしゃべりがストレスに感じる私は、初頭に催された自由参加のカジュアルプレゼン(結局全員参加)に加わりました。私という人間がどういう創作をするのかを知ってもらうためです。その後は自分の得意範囲での”コミュニケーション”をとりました。パーティの時やちょっとしたタイミングで写真を撮って彼らにあげる。自分に不要なストレスを与えず、且つ20代のアーティストはママにも送ったよ!と喜んでくれました。それらの写真は許可のもと、このようにブログにも使用しています。

Arteles Silence Awareness Existence Retreat residency program Winter 2019-20 in Finlandの募集を開始したそうです。https://www.arteles.org/sae_residency.html

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A.I.R滞在記その13  インターネット断食 困ったこと 

5日目にサロンとよばれる集まりがありました。強制参加ではありませんが、過去の作品をプレゼンするというもの。私にとって”プレゼン”という響きはぐっと緊張感が増します。その上英語でやらねばなりません。実は作品発表は特に記されていなかったため、用意をしておりませんでした。更に私は思っていた以上にできない自分の英語力に途方に暮れていました。プレゼンレベルとなるとスラスラ、ペラペラ….。

困りました。アンチョコが必要です。私は密かにインターネット断食の掟を破り、 auの国際データローミング(980円/24時間)を一日繋げ、グーグル翻訳の助けを得ながら英文を作る事にしました。文章表現が即座に調べられるネット検索は本当にありがたいものです。”Mr.Google”は頼もしい。イギリスに10年以上いた友人のオススメは「Google翻訳」アプリ。カメラ翻訳や手書き入力もできます。

Artelesのプレゼンスタイルは気さくなものでした。カウチでくつろぎながら壁に映写された作品を眺めつつ制作意図を聴きます。作品に影響を与えた自身の生い立ちやルーツなどを語る人も多かったです。

プレゼンは終わりました。聞き取れないところも多々あったのですが、彼らの素晴らしい発想や表現に感銘を受け、参加してよかったとつくづく思いました。

そして後日。カナダのアーティストLouiseが「Asako、この人検索して見て、きっと好きな作風よ」と紙切れを差し出してきました。でもネット断食中だし見れないというと「知ってるわよ〜、wifi にasakoshimizu iphoneって出てきたもの!」

バレていました。。。

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クリスタルツリーを眺めながら。(2019年1月)

 

2019年4月25日

A.I.R滞在記その12  インターネット断食

フィンランドのアーティストインレジデンスArtelesのプログラムの一つにネット断食がありました。

wi-fiは意図的に遮断されますが完全に使えないわけではありません。インターネットルームがあり、予定表に使用希望日と時間を書き込み、断続的な利用ができます。私は常にネットに繋がり、メールやSNSがチェックや調べ物ができる環境から身を離すことになりました。

下記は現地で書き留めたメモです。

「ネット断食が始まり、最初の1日半はふと意味もなくメールやインスタを見ようとIphoneに手を伸ばす自分がいた。これは明らかに中毒症状。使用回数は必要以上ということだ。

制限がありながらも使用こともできるという環境が、快適で解放された気分を自分にもたらしている。これは創作に集中させてもらえる空間、多くの気心あう種国籍多様なメンバーと生活する、自分の置かれた精神的な環境が恵まれていたこともある。

必要以上に見てしまう日々の積み重ね。これが1ヶ月、1年、10年と考えた時、どれほど自分に影響を及ぼすのか。いつしか、自分の意思が蚊帳の外になる。クリエイティビティや物の捉え方に悪影響はないのかという疑念が頭をよぎる。」

何事もバランスの良さが大切なのでしょう。この4週間弱のWI-FI断食は、一度自分とネットの関係性を見直し、リズムを考えるための良い機会となりました。このGWにもやってみようかな。次はその困った点について書きます。

 

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2019年4月23日

A.I.R滞在記その11 驚きのフィンランド公共サウナ

スタッフに地元の公共サウナに連れて行ってもらいました。

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噂は本当だった…..( ゚д゚ )!!  ( 注: 1月のフィンランドです)

そうです、これが噂の…..凍った湖で体を冷やす!中にはひと泳ぎしている方もいます。私も慣れたもので温まった体で雪景色を眺めながら外で冷やしていましたので、トライ。ですが、冷たいを通り越して、痛い、骨が痛い!すぐに膝下で断念。これは無理でした。レジデンツアーティストは肩まで湖に身を沈めていました。西洋人とは体の作りが違う、肉の厚さも違う!と思った私です。

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体を冷やしてまたひとっ風呂ならぬ、ひとサウナへ向かう。。

「フィンランド人は健康志向なんだね。」「サウナだけね・・・。」とスタッフのイダちゃん。「心臓発作にならないの?」「心臓も強いみたい。」

帰国後、サウナに行ったのですが、やはり木の小屋のサウナとエレクトニックサウナはなんだか、いえ大いに心地よさが違う。都心に住むファインランド人もそういうのだそうです。また入りたいな、フィンランドサウナ。

 

A.I.R滞在記その8 Tampereに買い出し

スタッフの運転で画材などを買いに宿舎から1時間ほど商業都市Tampereに行きました。

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ボク、カメラ欲しいんだよね、とアメリカ人ポール

まずは画材屋さんmalkkiへ。 http://www.malkki.fi

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そして次の目的地カメラ屋さんのKAMERATORI へ向かいます。https://kameratori.fi

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レジデンツアーティストはフィルムで撮影する人が二人いました。現像済みのネガをスタジオでスキャンしパソコンに取り込むのです。アイオナはルーマニアとイタリアのハーフ。画像を重ねて独自の世界観を作る写真家です。

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「利用者が減って、コスト減のため今は一括現像。だからこの増感処理は無理だよ。」ここで現像できない1本がありショックなアイオナ。。

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お店に人に一声かけて、撮影会。

ポールが中古カメラを物色中、私たちはこの不思議な空間で撮影会。
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3時にはこの暗さのフィンランド。さてみんなで帰ろう。

 

A.I.R滞在記その7 驚きのフィンランド式サウナ

お風呂好きの私にとっての楽しみは、レジデンスの庭にあるフィンランド式サウナでした。不定期にスタッフが火を起こしてくれたり、私たちが自発的に用意をしたりと楽しみます。

Artelesの専用サウナは手間暇かかる木材加熱式。薪で起こす炎、木の香り、熱い石から沸く湯気。サウナに入った日はより疲れが取れます。

初日の衝撃は忘れません。扉を開けたら男女皆さん素っ裸だった。そうこれがフィンランド式。レジデンツメンバーは驚きながらも潔く「郷に入れば郷に従え」でリラックス。しかし薄暗いから見えない、わけはない、見えます。ぎゅうぎゅうに詰めて男女5、6人しか入れない狭いサウナの中で彼らは世間話を楽しんでいます。スタッフにこの仕事に就く前は何してたの?とか日本にもこうやってみんなで入るのあるよね、なんだっけ、そうそうONSEN!

そして火照った体を冷やしに、丸裸で雪に覆われたドアの外に飛び出していく、また戻りおしゃべり。数日前まで赤の他人だった私たち13人はまさに裸の付き合いとなったのです。

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隠し撮りではありません!☺︎

2019年3月20日

A.I.R滞在記その5 機材と備品

今回持参したボディは3機Leica S2、S-E。まだあるのとさえ言われたCCD センサー派です。あの柔らかで繊細な描写の虜となって6、7年ほど経つのでしょうか。レンズAPO MACRO SUMMARIT-S F2.5/120mmとF2.5/70mm。そしてSony α7RⅢ。私はオートフォーカスが苦手なので、マニュアル感覚で使えるピントのタッチ操作がとても楽。いま、最も仕事で使うボディです。レンズはGマスターFE24-70mmF2.8。長らく単レンズ好きでしたが、この1本に出会ってからマストレンズとなりました。GM85mmF1.4は日本でお留守番。

VANGURARDSBー100今回は重石入れより、雪の上で疲れて座るときにの敷物として大活躍。濡れると侮れない寒さなのです。

VANGURARDSBー100  今回は重石入れより、雪の上で座るときにの敷物としても。寒さに慣れない東京育ち、濡れると侮れない寒さなのです。このグローブは中にもう一つ、独立した薄い手袋もついていて、操作に便利でした。

 降雪時撮影は「Storyteller」という未だ完成しない作品で数年間経験してますが、それを下回る気温のため新たに備品を揃えました。キャノンユーザーのレジデンツからはそこまでしなくてもと言われましたが、以前LeicaS2を結露させた私は慎重です。KANIダウン防寒カバー(ベルボン)でSEを覆います。中にたっぷりと羽毛が詰まっています。私のダウンより上等です。α7RⅢは以前から愛用のLAMDAのカバー(検索したけど見当たらず)。覆いをすると、確かに使い辛くはなりますが、吐いた息がすぐさま凍る時もあるので、3時間ほどのむき出し状態でカメラが氷のように冷えてゆきます。山岳写真の方はどうしているのかしら。

続く☺️