写真家 永嶋勝美さん

どうしても生で拝見したい写真があり、ギャラリー イー・エム 西麻布、永嶋勝美写真展「YAKUSHIMA(屋久島)」に伺いました。11_KNP3566_600KNLeica使いのモノクロファインアートとDGSMプリント(=デジタルカメラから銀塩のモノクロプリントの制作)の開発者などで知られる永嶋勝美さん。1949年創刊の LEICA Fotografie International誌(今でいうLFI MAGAZIME)に日本人で初めて紹介された写真家です。

ドイツ語版。何故か名前がKatsumiでは無くKakumiになっているところがドイツ語っぽい。。

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その後もニュースページで頻繁に採り上げられていた大先輩。こちらのオリジナルはドイツ語版ですが、フランス語版、英語版などもあります。

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いつも紳士で素敵な永嶋さんの、まさかの可愛いすぎるお茶目カット!

私が駆け出しの頃、カメラマンの先輩から「写真が上手くなりたかったら、印刷物ではなく、質の良いオリジナルプリントを見なさい」と教わりました。アート写真が多岐にわたる昨今、熟練のファインアートはより重要な位置にあると思います。

Gallery EM nishiazabuは各界のレジェンドがさらりと座っているすごい画廊。とても気さくで伺いやすい空間になっているのはオーナー竹内さんのお人柄によるものかもしれません。

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ファッション界の重鎮(中川十内氏)とモノクロファインアートの重鎮のこれまた可愛いツーショットいただき♫

今月20日まで開催です、ぜひ!

 2019年7月7日記載

 

写真家 ハービー山口さん

代官山スタジオによる多目的スペース「URDイベントスぺ―ス」のオープニングパーティに行ってきました。フォトギャラリーではこけら落としの展示、ハービー山口氏の写真展が!私はLiecaSシリーズを使うようになった8年ほど前から、メーカーのイベントなどで直接お会いできる機会が増えました。

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人気者のハービーさんはいつも周りに人がいっぱいなので、貴重なツーショットです。

実はハービーさん、15年前、全く面識のなかった私のモノクロプリントを購入してくださっているのです。私が貸画廊で個展をしており、その直前まで同所で企画展をされていたハービーさんが所用で立ち寄られました。まだSNSのない2004年。名前と作品は存じあげても、直接お会いしない限りはお顔がわからないという時代。まさかのご来廊を予期していなかった私は「山口です。」と言われてもピンとこなくて「山口さんがお見えです〜。」と画廊オーナーを呼ぶ始末。。。

ハービーさんがご著者のサインなどを終えられたあと、その時仰ったのが「ボク、これ買うよ。」

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ルミノスペーパークラシックというキャンバス上のザラザラした印画紙を米国から直接に取り寄せておりました。取り寄せたものがXレイで感光していて何万円も損したことも。。(涙)

その写真はDMにも使用したこちらです。あの時、驚きのあまり私は固まっていたように記憶しております。

面識のない無名の若手の写真をさらっと購入されたハービーさん。私はどれだけ勇気付けられたことか。そしてその10年後の2014年、SONYでの展示とトークショーのゲストに来てくださいました。

精力的に名作を次々と世に出し、若手へのエールも送り続ける素敵な先輩写真家に感謝の気持ちがいっぱいです。

 2019年6月30日記載

 

短編映画「色の街」クラウドファンディングで参加した!完成試写会 

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早稲田大学の学生劇団「てあとろ50′」出身で主演とプロデユーサーを務めた黒澤優介さん(中央)と監督の森平周さん(左)

映画「色の街」完成披露試写会&プレミアムトークショーを拝観してきました。と言うのも初めてクラウドファンディングなるものに参加、応援した映画なのです。

早稲田に縁もゆかりもない私がクラウドに興味を持ったきっかけは沖縄出身の若手俳優の安慶名晃規(あげなこうき)さんとのご縁です。

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カメラSonyα7RⅢ FE85mmF1.4GM

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本作では物語のキーになる『加藤』を演じ、特別出演のベテラン俳優小手伸也さんと共演されています。ヒロイン、カナ役は矢崎希菜さん。透明感があり落ち着いた物腰が印象的。

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安慶名さん演じる人探しに来た高校生加藤と大学生の相田、そして無表情な女子高生カナと高校生の相田。この二つの時が交差する物語です。若き俳優たちの熱演がとてもよかった!映画の始まりとラストシーンも心に残ります。

映画完成を記念して勝手に2年前に撮影した安慶名さんを蔵出し。(ファンサービスってことでいいですよね、安慶名さん!)

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クリックでYouTubuの公式サイトへ飛びます。

小手さんからも「目力ある役者さん」と称されていた安慶名さんはまだ無所属。ソフトバンク×「今日、好きになりました。」コラボCMソング「ウタコク」PV内で彼を見た方もいるかも。良い事務所とのご縁ができるといいな。

劇場公開は未定のこの映画。若い才能が頑張ってます。たくさんの方が観れるきっかけができますように。

記載日2019年6月23日

A.I.R(フィンランド)滞在記その17 氷点下の遊び

様々な手法で表現を試みるアーティストたちに囲まれるフィンランドのアーティストインレジデンスArteles生活。いい刺激を受けます。

私の撮影は早朝と夕方が中心です。昼間は時間が空きます。そこで撮影だけではなく何か作ってみようと思い立ち、先人が置いていった道具を使い色々意味不明な試みをしました。

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中庭倉庫やスタジオには先人の置き土産が色々あります。

 

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うう〜ん、、なんか違うな。。

毎日絵の具をカップに溶かして一晩放置。カラフルボールを作ってみたり。。。

 

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氷点下の遊び。

適当に色水を垂らしてまた一晩放置して。凍ってその上に霜が降りて。。以下繰り返す。

そこでできたのがこれです。

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使用カメラ LeicaSE

何かが現れた!可愛い。こんにちは、君はだれ?

このシリーズで何枚か!と軽く力みましたが、私の貪欲さに”森の妖精”は逃げてしまったようです。これ以降はグッとくるものがなく、1枚だけの作品となりました。

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Artelesの中庭と森。

 

晴れた日の夜は氷点下20℃以上まで行ったアートレスの生活。こんな冷え込む夕方はサウナの準備です。

2019年6月21日記載(滞在は1月)

十日町の農家民宿 さんぜん

農家民宿「三左衛門(さんぜん)」の伸子さんに会いに新潟十日町へ。

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夜に着くと確実に迷う入り口。(笑)

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このご家族の魅力を写真で表せていると良いのですが。(使用カメラSONYα7R III)

きっかけは昨年の大地の芸術祭拝見のための宿泊。人気宿のため繁盛記はなかなかの競争率です。癒しの空間にしばし我を忘れます。

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お父様のご趣味は骨董収集。

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目が慣れてくるとそこかしこに素敵なものが。

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農家ならではの新鮮な素材もさることながら、お母様の味付けの美味しいこと!

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朝食は要予約

 畑仕事をしながら民宿もこなす。いつ休むの?というほど1日中元気なお三方です。

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また伺います〜。

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虎視眈々と脱走を狙うマメちゃん

_ASN46272019年6月17日記載

A.I.R滞在記その16 スイーツパーティー

私たちの滞在期間は1ヶ月。その半ばも超え、共同生活のなかでそれぞれへの不満が小さく出始めた頃、シャーロットがスイーツパーティを計画しました。_ASN0313

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さり気ない気配りの天才でもある画家のシャーロット

サイレントデー前夜の金曜日、希望者が集合です。(結局全員揃いました)

ルイーズはブラウニー、ニッキーは・・と有志が続々手をあげスイーツの種類が増えました。ファビュラス!もちろん食べるだけの参加もOK。

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載せきれませんが8品ほどテーブルに!

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手作りもあれば持参品などみんなが参加

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食べるだけの参加も歓迎

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出来上がりを待つ大人男子二人 左は天文学系の著書を持つマイケル 右はスタッフのティーム

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明日からは挨拶も禁止の週末サイレントデーズ。黙々と制作に打ち込みます。おしゃべり大好きな彼らは今のうちにしゃべり倒します。

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二人組アーティストのドラアンドガボールはハンガリー出身。別れた場合の作品の権利はどうなるの、なんて話もしてました。。。

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お得意のケーキの一つや二つ、レパートリーであるのだな、、、と西洋の女子力について学びました。

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壁紙が宇宙なアートレスのダイニングキッチン。

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制作への悩み、焦り、共同生活への小さな不満。そんなネガティブな側面も緩和される、楽しく甘い夜が更けてゆきます。

 

2019年6月10日

(撮影は2019年1月)

 

 

A.I.R滞在記その15 アートランドトリップ

すがすがしい陽気ですが、再び雪中のレジデンス体験に話を戻します。

制作の合間に息抜きができるようスタッフは色々サポートしてくれます。今回は Nancy Holt (1938~2014 アメリカ)の「Up and Under」とAgnes Denes(1938,ハンガリー生まれ)の「Tree Mountain」を観に行きます。まずはArtelesスタッフ、イダのドライブで「Up and Under」のあるSasinitie 555,Pinsioへ。

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_ASN0598 トンネルは南北東西に向けられています。円形の空は新緑の季節にも見て観たい。

様々なイベントにも対応できる等に企画されたというアートオブジェ。

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死体??と慄くアーティスト(オーストラリア・カナダ)女子二人。しかし治安のいい国に住むイダは臆せず確認に行きます。

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_ASN0585 お尻で降下。お決まりです、大人だってやります。

 

次は舗装された雪深い道を歩き、いざアグネスディーンの「Tree Mountain」へ。環境問題に立ち向かうアーティストの先駆者の一人だそうです。

 

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パイナップルやひまわりに見られるというThe Golden Section(黄金比)を模して植林された作品とのこと。1996年国連環境計画とフィンランド環境省からの支援を受け、最終的には未開の森林を生み出すという目的で保護された土地に設計されたプロジェクトとウェブサイトにはあります。
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空中から見るとその幾何学模様がよくわかるらしいのですが

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頂上までいくの??

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密林で頂上感ゼロ。。。

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帰ります。(これは作品ではありません)

 真理の表明や問いに人生をかけるアーティストの”業”は強い吸引力があります。

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西フィンランド

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イダ、運転ありがとう。外はマイナス13度でした。

2019年6月1日記載

映画 「RBG 最強の85才」

ルース・ベイダー・ ギンズバーグ。

スターウォーズに出てきそうな猛々しい名の彼女はアメリカの最高裁判所の判事に君臨する女性、そのドキュケンタリー。見事な仕事ぶりに対し、実は内気で可愛らしい判事の魅力にグイグイと引き込まれました。

ふらりと行ったため、予備知識ゼロで観た私が読んでおけばよかったと思うのはこの記事。映画.com 佐々木俊尚さんのコラムです。

彼女の現在の立ち位置、政治について解説してくださっています。内容の魅力だけでなく、なぜこの映画が作られたのかを知ることでより楽しめるはず。

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そう彼女が筋トレに励むには訳がある。彼女はいま、辞めるわけにはいかないのです。

ユーモアいっぱいの旦那様も魅力的。この人無くしして法の改正はなかったと思うほどの立役者です。

 

Sony 「リアルタイム瞳AF」動物対応に大感激する

1ヶ月前にソフトウェアアップデートで追加された機能、動物対応の「リアルタイム瞳AF」(Sony α7RIII 及び α7III )。

今年の仔犬カレンダー撮影で早速使用させていただきました。

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まずこのニャンコ(わんこ?)マークの可愛さにくらっとする。

やんちゃな子犬を春夏秋冬の12パターン、2日間で撮りきらねばいけません。そこで大活躍したのがこの動物対応したAF。     その正確さに感激致しました。

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2019年度版  2020度版はまだお見せできないのが残念です。。。

絞りを開放値にしてGMレンズのボケの良さを生かした写真を撮りたい私は、従来の瞳AFを使うと鼻にピントがいってしまうのが悩み。それも華麗にも解決。多様な背景状況にも難なく応えてくれました。

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すごい機能なのに、さらりとしたアプローチが奥ゆかしい。。。夏頃にはα9とα6400をお持ちの方も使えるとのこと。

詳しくはこちらで。 https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/news/319/

12犬種撮影後の使用感としては、正面向きでなくても鼻と混同することなく瞳を追跡します。もちろん動き回りも大丈夫。強い逆光は少し苦手のようです。目を覆うような黒い毛むくじゃらの動物は「目、どこ、、?」とカメラが悩んでしまうようです。その場合は手動撮影でも悩みますが。

開発の方は実際キタキツネをお撮りになるそう。ご自身の写真家としての経験値と技術者としての頭脳で作り上げてしまうなんて!

私の撮影現場の勇姿もお見せしたいのですが、そのような暇もなく奮闘。 この時の現場写真はありません。。。。

2019年5月17日

サービスしないサービス 馬場拓也さんのテツガク

カメラを通して多くの生き方、考え方を垣間見てきました。雑誌社の社員カメラマンが出発点だったこともあり、老若男女、多様なジャンルで生きる方々にお会いしています。

社会福祉法人 愛川舜寿会 ミノワホーム 馬場拓也さん。介護の世界では有名な、元高級服飾ブランドのトップセールスマン。そのご経歴も生かしたマネージメントをされる老人ホームの長であり、様々なプロジェクトのリーダーです。

「以前はいわゆる”サービス業”ぽかった。来館した利用者の服をハンガーにかけてあげたり。僕の得意分野の土俵に利用者をのせようとしていた。」そう語る馬場さんの傍ら、来館するマダムがゆっくりと移動されていきます。個別に丸みのある木製のロッカーが分配されご自身のペースで支度をされています。利用者さんにとって何が心地良いのかを探る。そして”サービスしないサービス”へと転換されたのです。

馬場さんの、”正しい”と思っていたことを現場を見ながら修正していく思考の柔軟さ。この修正力を私も見習わなければと思いました。

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カメラ:Sony α7RⅢ FE24-70 F2.8GM

 


人間には「転ぶ権利があるんだ」と語った馬場さんの言葉に、人生の先輩である利用者さんとスタッフさん一人一人への尊重と愛が溢れていました。

馬場さんの記事は介護専門誌「おはよう21」5月号(リニューアル号)に掲載。以降毎月老人ホームにお伺いし、表紙、巻頭、対談撮影を担当させていただいております。ホームは経営者の人生哲学が施設とその空気感に反映されていて興味深いです。

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使用カメラはSonyα7RⅢに万能レンズGMFE24-70 F2.8。威圧感のないピントタッチパネルとGマスターの優しいボケが味方してくれます。そしてSonyα7RⅠにLeica ズミルックスR 50/1.4です。

 2019年5月5日