サービスしないサービス 馬場拓也さんのテツガク

カメラを通して多くの生き方、考え方を垣間見てきました。雑誌社の社員カメラマンが出発点だったこともあり、老若男女、多様なジャンルで生きる方々にお会いしています。

社会福祉法人 愛川舜寿会 ミノワホーム 馬場拓也さん。介護の世界では有名な、元高級服飾ブランドのトップセールスマン。そのご経歴も生かしたマネージメントをされる老人ホームの長であり、様々なプロジェクトのリーダーです。

「以前はいわゆる”サービス業”ぽかった。来館した利用者の服をハンガーにかけてあげたり。僕の得意分野の土俵に利用者をのせようとしていた。」そう語る馬場さんの傍ら、来館するマダムがゆっくりと移動されていきます。個別に丸みのある木製のロッカーが分配されご自身のペースで支度をされています。利用者さんにとって何が心地良いのかを探る。そして”サービスしないサービス”へと転換されたのです。

馬場さんの、”正しい”と思っていたことを現場を見ながら修正していく思考の柔軟さ。この修正力を私も見習わなければと思いました。

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カメラ:Sony α7RⅢ FE24-70 F2.8GM

 


人間には「転ぶ権利があるんだ」と語った馬場さんの言葉に、人生の先輩である利用者さんとスタッフさん一人一人への尊重と愛が溢れていました。

馬場さんの記事は介護専門誌「おはよう21」5月号(リニューアル号)に掲載。以降毎月老人ホームにお伺いし、表紙、巻頭、対談撮影を担当させていただいております。ホームは経営者の人生哲学が施設とその空気感に反映されていて興味深いです。

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使用カメラはSonyα7RⅢに万能レンズGMFE24-70 F2.8。威圧感のないピントタッチパネルとGマスターの優しいボケが味方してくれます。そしてSonyα7RⅠにLeica ズミルックスR 50/1.4です。

 2019年5月5日