映画「国家が破産する日」

1997年韓国で起きたIMF介入の通貨危機を題材にし3つの物語が交差する映画「国家が破産する日」。現実を元にしたスリルある構成は、ある意味ホラー映画よりはるかに怖い。

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背後に潜むアメリカ、そして「IMFは失敗した国を罰するのではなく潰す」と言い放つ主人公のセリフが印象的でした。IMF介入を積極的に画策する財務局次官は「国の再建の為に、古い構造を一度壊す」ことを望む。一見かっこいいこと言うなと思ったが、結局は役柄イメージ通りの”悪役”…。日本映画「新聞記者」との共通点も多く、そら恐ろしくなります。個人の利己的な価値観で国の行く末を弄ばれるなんてシャレにならないです。

主演のキム・ヘスさんの飾り気のない凜とした美しさ。気になって検索したら同一人物とは思えない画像がたくさん出て来て驚きました。役者さんて凄いですね。

シネマート新宿ほか

2019年10月15日記載

Sちゃんのお暇 中国から来たお友達

先月、富士山に向かいました。お気に入りの5号目ハイキングコースに行きたくなったのです。

前夜の宿泊費を浮かせようとドミトリーを予約。扉の向こうの室内は国際色豊かな旅人がいる世界!同室になった、杭州から来た一人旅のSさんと知り合います。なんだかウマが合う私たちは翌日一緒に富士山吉田口ハイキングへ。

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山中湖でパチリ

Sさんは20代でしょうか。日本のドラマをきっかけに日本文化が大好きになったそう。先月終わったばかりの人気ドラマも既に観ていて驚きました。富士山お中道ハイキングコースに生えていたキノコを見て「ひょっこりはん!」お笑い番組もよく知っている。

私一人だったら行かなかった観光名所、中国観光者に大人気という新倉山浅間公園にも行きました。なんでも観光ポスターに起用され、そこで富士山と塔をセットに写すの流行っているのだとか。

河口湖周辺の芝生に二人で仰向けになってみた青い空の気持ちよかったこと。思わぬ出会いからの二人旅で豊かな1日を過ごしました。

2019年11月2日記載

 

「食の絶景」展 写真家 斎藤巧一郎氏

斎藤巧一郎さんの写真展「食の絶景」(東京・新宿のオリンパスギャラリー)に伺ってきました。斎藤さんはとにかく美味しそうな写真を撮る。見ているとお腹が空く。なんでこんなに膨よかな料理写真が撮れるんだろうと思ってました。4739

その美味しそうなお料理がお皿に盛り付けられるまでの物語。魅力的な生産者たちとその現場を捉えた展示構成に感動です。

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斎藤氏はテレビで写真教室の番組も担当したほど。お話も楽しいことは業界ではちょっと有名です。

丁寧な取材を思わせる数々の写真を拝見して、私はあることを思い出しました。斎藤氏は食べ方がとても美しいのです。大学の同期でもある南雲暁彦氏と3人で食事に行ったこともあるのですが、食に対する敬意が、所作の美しさとなって滲み出ているのです。それは印象に残るほどに….。

また瑞々しいプリント用紙はイルフォードギャラリーのProPhotoPaperスムースパールとのこと。私はライカの展示でゴールドファイバーシルクを使用させていただきましたが、プリント階調が豊かでハイグレードクオリティーな印画紙。しかし扱い易く種類も豊富なのでオススメです。このスムースパールも要チェック!

斎藤氏の写欲と食欲の結晶(どちらが先だろう)ここにありの展示でした。今後の展開も楽しみです。

新宿のオリンパスギャラリー30日(水)まで。大阪では11月22日(金)から12月5日(水)まで。トークショウも是非。

2019年10月27日記載

Sony 世界の仔犬カレンダー2020

今年も届きました、Sony 世界の仔犬カレンダー2020。ソニー生命版と共にここ数年、担当させていただいています。

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 撮影は3月、4月に行われることが多く、まだ肌寒い中、スタイリストさんやアートデイレクター、クライアントさんの力も借り四季折々のパターンを創ってゆきます。協力してくれたわんちゃん、ブリーダー様方もありがとうございます。この写真で多くの方が癒されてくれますように。

 私の持分から2名の方にSony版のプレゼントをさせていただきます。お問い合わせフォーム”Contact”より住所明記でご連絡ください。(発表はカレンダーの発送をもってかえさせていただきます。)

*締め切らせて頂きました。嬉しいご感想などありがとうございました。☺️

2019年10月25日記載

映画「ジョーカー」堪え難い苦痛と絶望の先

バットマンの悪役ジョーカー誕生までの物語。精神疾患に苦しみながらもなんとか社会で道を得ようと努力し、また献身的に母親の面倒をみるアーサー。彼が何故に残酷な「ジョーカー」になったのか。

あまりの不遇さにお祓いでも受けた方が。。と突っ込みたくなる。

あまりの不遇さにお祓いでも受けた方が。。と突っ込みたくなる。

自身の不安定さ、異常さの因果関係を知ったときに事切れる良心。堪え難い苦痛と絶望の向こう側にゆき「ジョーカー」が誕生してゆく過程は見応えがあります。コミックを題材にした物語ではありますが、綺麗事のないある種の事実の一つではないかと思いました。

観る人によってさまざまな解釈ができる映画は大好きです。ただ終了30分前は観ていて心が痛み、退出しようか迷いました。脚本を信じて粘った甲斐あり。もし「ダークナイト」をご覧になってなければその鑑賞後もオススメです。

2019年10月19日記載

フォトグラファー 南雲暁彦氏 

広告の現場や講師として大活躍のフォトグラファー南雲暁彦氏。玄光社コマーシャルフォトStill Life Imaging 連載時の写真を銀座ライカプロフェッショナルストアにて展示中。迫力の高さ約2mの巨大なプリント、ライカSシリーズによる美しい描写もシビれます。

期間:2019年10月15日(火)~11月9日(土) ※11月5日(火)~7日(木)は催事のため閉館 会場:ライカプロフェッショナルストア東京

期間:2019年10月15日(火)~11月9日(土) ※11月5日(火)~7日(木)は催事のため閉館 会場:ライカプロフェッショナルストア東京

南雲氏は大学の同期。新入生時代からの友人です。その頃からカメラに詳しく多趣味、そして寛大な教え上手でした。過酷な風景撮影から複雑なブツ撮り、ポートレートまで何でもござれの南雲くん。常に情報はアップデートで最前線。そんな彼が満を持して初の著書を出されます!出版予定日は2019年10月28日。アマゾンで予約したぞ。

Still Life Imaging スタジオ撮影の極意 (コマーシャル・フォト・シリーズ)

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なんだか宣伝になりましたが、オススメです。

2019年10月18日記載

 

篠山紀信氏 プロほどわかる巨匠の凄さ

日大芸術学部の1年生の時、篠山紀信さんが学生に向けて講演にいらっしゃいました。素晴らしい写真が次々に映し出され、パワーと喋りのおもしろさに圧倒され、講堂はあっという間に笑いと熱気の空間に変わったのを覚えています。第一線のカメラマンはやはりすごいなと思ったものです。

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昨年末に婦人公論誌用に撮られた樹木希林さんの前で。

今週店頭に並んでいる雑誌「婦人公論」10/8号で巨匠を撮らせていただきました。

篠山さんの凄さはプロカメラマンほどわかるかもしれません。フィルム時代に、重くて大きく、操作も面倒な大判カメラを使って撮影されています。それゆえに大伸ばしのプリントも美しいです。大衆に向けた写真にこだわり、常にトップクオリティーの仕上がりを目指されていたのではないかと思います。

大相撲の集合写真などは8×10を3機並べて撮影したと聞いたことがあります。光量もシビアな時代。どれだけ大変なことか。。それ、、やりますか。。という撮影への熱量。

また人気絶頂期のタレントは撮影時間がありません。「実際の現場はバタバタしている」と内覧会でもおっしゃっていました。山口百恵さんがビキニを着て水辺で寝そべっている有名な写真。「どうしてこんな写真が撮れたのかってよく聞かれるのだけど、きっと彼女は疲れて眠かったんだよ!」と謙虚なジョークを飛ばして取材陣を沸かせます。

自分の都合だけでは動けない仕事の撮影現場。そのバタバタの中に「写真の神様」を降ろすのですからやっぱり巨匠です。

篠山紀信展 写真力 」 Gallery AaMo 東京都文京区後楽1-3-61 東京ドームシティ10月27日(日)まで

 

投稿日2019年9月24日

 

 

作家吉村昭にハマる 「関東大震災」

きっかけはなんだったんだろう。吉村昭の小説「漂流」を読み、続けて「破船」を読了。読み出したら止まらない、恐るべし吉村昭。中毒になった私は防災の日にちなんで菊地寛賞受賞作「関東大震災」に手を伸ばしました。71wUN7EtP-L.__BG0,0,0,0_FMpng_AC_UL320_SR222,320_.jpg

こちらは小説ではなくノンフィンクション。淡々と細やかに描写され、私の頭の中はそこからイメージされた映像が回り始めます。

まず惨事が自分の想像を超えておりました。防災意識は江戸時代の方が優秀だったと指摘されていますが、そのため被害も甚大に。そして情報が無い中に飛び交うデマに次ぐデマ。人々の神経衰弱による判断の低下、治安の悪化。衛生問題から深刻な人道的問題まで克明に書かれています。場当たり的な行動と過密都市でならではの人の振る舞いの恐ろしさを改めて考えるきっかけになりました。

災害時、私は噂や情報の鵜呑みは一切しないと決めました。

記載日2019年9月22日

 

 

 

 

 

ロバートキャンベル 井上陽水英訳詞集

作品テキストの英文を作っています。私の英語力は永遠の初中級レベル。日常に英語力の必要がない(言い訳です)私は、たまにダラダラとアプリで勉強するだけ。一向に上達しません。

今回は詩的表現が多数あるため自分で翻訳しようと決めたものの悪戦苦闘。その折この本をたまたま見つけました。

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本が、必要に応じて向こうからやってく来ることありませんか?本屋をフラフラするとなんだか呼びかけられているような、その棚を見ると気になるタイトルが。

日本人がもつ時制感覚。自分たちが気に留めていないものの、西洋文化から見るとかなりユニークに感じるという肌に染みついた森羅万象の感覚。それを言葉にした時の英訳の壁、それはそれは大きな壁。写真家や画家なら経験があると思います。

キャンベルさんは西洋人の文章や物事、その捉え方の違いをわかりやすく、様々なかたちを挙げて教えてくださいます。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

言わずと知れた川端康成の「雪国」。この一文だけで、日本人である私たちは様々な情景や予感、含み、そして美しさを感じます。放映されていたドナルドキーン氏と川端氏の対話も例に上げ、キーン氏が「どこに主語があるのだろう、男女の会話は何を意味するのだろう、多くの部分が曖昧なのです。」と英訳するにあたっての苦悩を告白するというエピソードは衝撃でした。(川端氏がどうお答えになったかは是非本文中でご確認くださいませ)

キャンベルさんが天才井上陽水の歌詞世界をどのように英文のピースに入れていくのか。その考え方や作業法がとても参考になりました。私は自分が持つユニークな感覚を、西洋ルールで潰してはいけないと思ってきました。この感性を肯定し、うまく言葉に起こすことに時間を必要としました。

日本古典文学を熟知するキャンベルさんだからこその愛と熱意、それに応える陽水さん。お二方がとても勇気を与えてくれる本を世に出してくださいました。

2019年9月15日記載

 

画家 淺井裕介さん 圧巻の「いのちの木」横浜美術館

思わず息を呑んだ、淺井裕介さんの手掛ける豊かで優しい紅い空間。そこには何気にシャガールやらマックス・エルンストらも掛けられています。

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椅子に座ってぼ〜と眺めていると、目が慣れてきて、赤い部分からも絵が浮かんできます。

アーティストが所蔵作品を選び、自身の作品とコラボして展示空間を創った横浜美術館・企画展「Meet the Collection ―アートと人と、美術館」は見応えがありました。

この淺井氏とボランティアによる美しい壁画は、期間が終われば塗りつぶされてしまうそうです…..。え、そんな…。

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わ〜おちる〜!小さいのです、これら。見所満載。

傑作が傑作を高め合って融合する作品空間。素晴らしい展示に出会い、心が浄化されました。行って良かった。9月1日まで。

2019年8月16日記載