A.I.R滞在記その13  インターネット断食 困ったこと 

5日目にサロンとよばれる集まりがありました。強制参加ではありませんが、過去の作品をプレゼンするというもの。私にとって”プレゼン”という響きはぐっと緊張感が増します。その上英語でやらねばなりません。実は作品発表は特に記されていなかったため、用意をしておりませんでした。更に私は思っていた以上にできない自分の英語力に途方に暮れていました。プレゼンレベルとなるとスラスラ、ペラペラ….。

困りました。アンチョコが必要です。私は密かにインターネット断食の掟を破り、 auの国際データローミング(980円/24時間)を一日繋げ、グーグル翻訳の助けを得ながら英文を作る事にしました。文章表現が即座に調べられるネット検索は本当にありがたいものです。”Mr.Google”は頼もしい。イギリスに10年以上いた友人のオススメは「Google翻訳」アプリ。カメラ翻訳や手書き入力もできます。

Artelesのプレゼンスタイルは気さくなものでした。カウチでくつろぎながら壁に映写された作品を眺めつつ制作意図を聴きます。作品に影響を与えた自身の生い立ちやルーツなどを語る人も多かったです。

プレゼンは終わりました。聞き取れないところも多々あったのですが、彼らの素晴らしい発想や表現に感銘を受け、参加してよかったとつくづく思いました。

そして後日。カナダのアーティストLouiseが「Asako、この人検索して見て、きっと好きな作風よ」と紙切れを差し出してきました。でもネット断食中だし見れないというと「知ってるわよ〜、wifi にasakoshimizu iphoneって出てきたもの!」

バレていました。。。

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クリスタルツリーを眺めながら。(2019年1月)

 

2019年4月25日

A.I.R滞在記その12  インターネット断食

フィンランドのアーティストインレジデンスArtelesのプログラムの一つにネット断食がありました。

wi-fiは意図的に遮断されますが完全に使えないわけではありません。インターネットルームがあり、予定表に使用希望日と時間を書き込み、断続的な利用ができます。私は常にネットに繋がり、メールやSNSがチェックや調べ物ができる環境から身を離すことになりました。

下記は現地で書き留めたメモです。

「ネット断食が始まり、最初の1日半はふと意味もなくメールやインスタを見ようとIphoneに手を伸ばす自分がいた。これは明らかに中毒症状。使用回数は必要以上ということだ。

制限がありながらも使用こともできるという環境が、快適で解放された気分を自分にもたらしている。これは創作に集中させてもらえる空間、多くの気心あう種国籍多様なメンバーと生活する、自分の置かれた精神的な環境が恵まれていたこともある。

必要以上に見てしまう日々の積み重ね。これが1ヶ月、1年、10年と考えた時、どれほど自分に影響を及ぼすのか。いつしか、自分の意思が蚊帳の外になる。クリエイティビティや物の捉え方に悪影響はないのかという疑念が頭をよぎる。」

何事もバランスの良さが大切なのでしょう。この4週間弱のWI-FI断食は、一度自分とネットの関係性を見直し、リズムを考えるための良い機会となりました。このGWにもやってみようかな。次はその困った点について書きます。

 

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2019年4月23日

映画「幸福なラザロ」コメントを書かせていただきました。

渋谷Bunkamuraで公開中の「幸福なラザロ」。

「世界を2つに分けるとき、私の中のラザロは消えてしまう。見事な映像の語りが真理の問いかけを挑んでくる。心奪われました。写真家 清水朝子」
新規ドキュメント 2019-03-29 21.43.23_1

 

実際に起きた事件を題材に、穏やかで不思議なラザロを軸に展開するこの物語はなかなかスリリングなのです。しかしラザロの存在のおかげで安心して内容を探っていけます。「良いの良いの先は、悪いの悪いの先はなんだろう?」私はそう思いました。

秀逸な作品、映画らしい映画です。ぜひ。

2019年4月21日

映画 「バイス」 「記者たち 衝撃と畏怖の真実」

この映画を見て、先日ラジオで紹介されていた良寛の言葉を思い出しました。
「今日、是とせしところ/いずくんぞ、昨日の非にあらざることをしらん」
意味:昨日良いと言われたことが、きょうは悪いと言われる。
きょうの良いが、昨日は悪いと思われていたことを知らなきゃいけない。

 

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一元的な操作。知らぬ間に”ノセられる”怖さ。難しいですが、自身の俯瞰の目と慎重さを意識したいです。

 

それにしてもクリスチャンベールは本当に一人なの?と思うほど、役それぞれの別人ぶりですよね。「バイス」の毒々しいコミカルさは内容がキツイだけに個人的には救われました。

A.I.R滞在記その11 驚きのフィンランド公共サウナ

スタッフに地元の公共サウナに連れて行ってもらいました。

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噂は本当だった…..( ゚д゚ )!!  ( 注: 1月のフィンランドです)

そうです、これが噂の…..凍った湖で体を冷やす!中にはひと泳ぎしている方もいます。私も慣れたもので温まった体で雪景色を眺めながら外で冷やしていましたので、トライ。ですが、冷たいを通り越して、痛い、骨が痛い!すぐに膝下で断念。これは無理でした。レジデンツアーティストは肩まで湖に身を沈めていました。西洋人とは体の作りが違う、肉の厚さも違う!と思った私です。

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体を冷やしてまたひとっ風呂ならぬ、ひとサウナへ向かう。。

「フィンランド人は健康志向なんだね。」「サウナだけね・・・。」とスタッフのイダちゃん。「心臓発作にならないの?」「心臓も強いみたい。」

帰国後、サウナに行ったのですが、やはり木の小屋のサウナとエレクトニックサウナはなんだか、いえ大いに心地よさが違う。都心に住むファインランド人もそういうのだそうです。また入りたいな、フィンランドサウナ。

2019年4月2日記載