A.I.R滞在記その7 驚きのフィンランド式サウナ

お風呂好きの私にとっての楽しみは、レジデンスの庭にあるフィンランド式サウナでした。不定期にスタッフが火を起こしてくれたり、私たちが自発的に用意をしたりと楽しみます。

Artelesの専用サウナは手間暇かかる木材加熱式。薪で起こす炎、木の香り、熱い石から沸く湯気。サウナに入った日はより疲れが取れます。

初日の衝撃は忘れません。扉を開けたら男女皆さん素っ裸だった。そうこれがフィンランド式。レジデンツメンバーは驚きながらも潔く「郷に入れば郷に従え」でリラックス。しかし薄暗いから見えない、わけはない、見えます。ぎゅうぎゅうに詰めて男女5、6人しか入れない狭いサウナの中で彼らは世間話を楽しんでいます。スタッフにこの仕事に就く前は何してたの?とか日本にもこうやってみんなで入るのあるよね、なんだっけ、そうそうONSEN!

そして火照った体を冷やしに、丸裸で雪に覆われたドアの外に飛び出していく、また戻りおしゃべり。数日前まで赤の他人だった私たち13人はまさに裸の付き合いとなったのです。

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隠し撮りではありません!☺︎

2019年3月20日記載

映画 グリーンブック

言わずと知れたアカデミー作品賞。ほっこりしました。会場がどっと笑うのも楽しかった。

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二人が出会ってからのわずか8週間のストーリーはさらりと濃厚。実話というのも驚きですが、脚本が運転手トニーリップの実の息子さんと知り、さらにビックリです。

A.I.R滞在記その6 寒冷地で用意した備品

かつてのレンズ結露の痛手経験から、今回用意してみたものはPROTAGE 結露防止、夜露除去レンズヒーター、そして乾燥剤です。冬は乾燥しているのでいらないと言われたこともあるのですが、部屋は暖かく湿気もあります。外の乾燥があまりにも酷いせいか自分の手から湿気や息がそのまま伝わる。一度結露させると多くの時間と労力を使います。機材が使えなくなるのは限られた時間で制作する身をしては痛いです。

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温度調整が利くタイプが便利でした。

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痛い経験から、温度差だけでなく湿度の管理も大事と痛感しました。

_ASN0374 _ASN0491晴れた朝は氷点下20度までいきました。

続く。☺️

A.I.R滞在記その5 機材と備品

今回持参したボディは3機Leica S2、S-E。まだあるのとさえ言われたCCD センサー派です。あの柔らかで繊細な描写の虜となって6、7年ほど経つのでしょうか。レンズAPO MACRO SUMMARIT-S F2.5/120mmとF2.5/70mm。そしてSony α7RⅢ。私はオートフォーカスが苦手なので、マニュアル感覚で使えるピントのタッチ操作がとても楽。いま、最も仕事で使うボディです。レンズはGマスターFE24-70mmF2.8。長らく単レンズ好きでしたが、この1本に出会ってからマストレンズとなりました。GM85mmF1.4は日本でお留守番。

VANGURARDSBー100今回は重石入れより、雪の上で疲れて座るときにの敷物として大活躍。濡れると侮れない寒さなのです。

VANGURARDSBー100  今回は重石入れより、雪の上で座るときにの敷物としても。寒さに慣れない東京育ち、濡れると侮れない寒さなのです。このグローブは中にもう一つ、独立した薄い手袋もついていて、操作に便利でした。

 降雪時撮影は「Storyteller」という未だ完成しない作品で数年間経験してますが、それを下回る気温のため新たに備品を揃えました。キャノンユーザーのレジデンツからはそこまでしなくてもと言われましたが、以前LeicaS2を結露させた私は慎重です。KANIダウン防寒カバー(ベルボン)でSEを覆います。中にたっぷりと羽毛が詰まっています。私のダウンより上等です。α7RⅢは以前から愛用のLAMDAのカバー(検索したけど見当たらず)。覆いをすると、確かに使い辛くはなりますが、吐いた息がすぐさま凍る時もあるので、3時間ほどのむき出し状態でカメラが氷のように冷えてゆきます。山岳写真の方はどうしているのかしら。

続く☺️

A.I.R滞在記その4 カレーディナー

「食事はどうしてたの?」と聞かれます。周りにお店がないため(本当に何もない)車で10分強ほどのスーパー「SMARKET」に繰り出し数日分の食材のまとめ買い、日々自炊です。来て間もない頃、オーストラリア人のアーティストKenがみんなにカレーディナーを振舞ってくれました。

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食事で距離も縮まります。

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スタッフのキャリーも一緒に。

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Artelesではこれという決まりはなく、誰かが提案した自発的な小さなイベントが日々ありました。あくまでもNo stress and pressureがここの理念。自分の都合や体調に合わせての自由参加。そしてレジデンツメンバーの年齢や国籍は様々です。60歳から25歳までいました。

次回は機材のお話をします。

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ケン、美味しいカレーをありがとう!

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アメリカ人のポール、お片づけありがとう!

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映画「マイ・ブックショップ」銀座シネスイッチ 

イギリス流の勇気と情熱の物語。書店を営むフローレンスの本選びはストーリーの伏線のようであり、核心の謎解きのようでもあり……。1950年代のイギリスの可愛らしい雰囲気に浸りながら、ヒエラルキーの残酷さも味わえた。チケットをネットで取らず、売り場で座席を指差しながら買うのも楽しかった、久々のシネスイッチ銀座でした。

http://mybookshop.jp 177854

アーティストインレジデンス滞在記 その3

私は自分のスタジオスペース不要と申請していたせいか、他の人より広めのお部屋でした。

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朝には、リスのカップルが木々を駆け巡ってました。寒くないのね。。

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初めてのミーティングがありました。写真のようにソファでくつろぎながら自己紹介、作品紹介をします。英語の聞き取りは思った以上に辛かったです。(>_<)皆さん、早口でして。。

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ノルウェー出身ドイツ在住のヘミングは自作のテキストの朗読とビデオインスタレーションを披露してくれました。

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アーティストインレジデンス滞在記 その2

13名のアーティストとの共同生活。共有のキッチン、各自のペースで自炊をします。 私の部屋に向かう通路には7、80年代のフィンランドミュージシャンのアルバムが壁面いっぱいに貼られていました。

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ボードにミーティングなどの予定が書き込まれます。サウナの時間、レジデンツによるパーティーの呼びかけ、スーパーへの買出しの車の時間など。(カレーパーティやスィーツパーティをしました。これは後日に) 雪の降った翌日の朝はスタッフが雪かきをしてくれます。約4週間の滞在。まずはこの空気感を素直に感じ、溶け込もうと思いました。

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ブログ始めました。

アーティスト・イン・レジデンス プログラム(Artist-in-residence program)に参加しました。その1
写真家の清水朝子です。写真にまつわることを中心に書いていきます。

アーティスト・イン・レジデンスプログラム(以下AIR)とは アーティストが一定間、ある土地に滞在し制作を集中して行える環境を与えてくれる事業です。私は今年の元旦(2019年)から丸一ヶ月フィンランドにあるArteles https://www.arteles.orgにて、作品制作を見つめる時間を改めて自分に与えてまいりました。 この経験を少しずつ書いてゆきます。

どのように見つけたかというと、

HAPS 東山アーティスツ・プレイスメント・サービスのサイト。日本語なので便利です。AIRは世界中にあり、プログラム内容も様々。AIR滞在中の仲間に教えていただいたこのサイト、res artisは英文ですが情報量が多いのでオススメです。

res artis  http://www.resartis.org/en/residencies/

フィンランドのArtelesはシーズン毎にプログラムテーマが変わります。「Silence Awareness Existence」がArtelesが提示した昨冬のテーマでした。私の作風、根底にあるテーマに沿いそうと惹かれました。内容にはサイレントデイズ(週末は会話してはいけない)のルール、強要のないプレゼンテーションやミーティングがあります。施設には瞑想ルームやサウナも。

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次回は施設風景などをアップします。